応量器
前々から禅宗の僧が使われる応量器には興味を持っていました、シンプルで収納性抜群、きれいな形、究極の器のだなぁと思っていました。また本山が私が住んでいる福井県の永平寺であり、私も来客があると何回も観光的に案内しました。一泊研修もしたり、ある程度の知識は持っていたつもりですが、深く追求しようとすると道元禅師の書かれた正法眼蔵は難解であると聞いており、躊躇している自分がありました。
しかし最近、異常気象の地球を身近に感じ、精神的に荒廃した世の中、荒廃した教育、エコ的な生活の急務な現代を感じれば感じるほど760年以上も続けられている永平寺の修行僧の生活スタイルは学ぶべき事柄が沢山あると思い始め、勉強をスタートしました。
私は漆器屋、つまり器屋ですので器から学んで行こうと考えて、ネットで応量器を調べたり、雑誌で応量器の記事を見たりしましたが、どうもいろんな説が飛び交っている感じを受け、実際の正しい知識が知りたいと考え2月の大雪の東京行き、曹洞宗の本部に伺い応量器の使い方、片付け方を実地で指導して頂きました。忘れるといけないので動画でも撮影させて頂きました。私なりに疑問点が解決しスッキリしました。
私と同じように興味を持たれた方は応量器のセットを揃えたいと思われますので、本格的なものから入門用といいますか、参禅セットも用意しました。また応量器のことで私が知った知識も所々に書いてゆきたいと思います


木製時代黒 応量器
実際 収納の形は左記の写真の形になります、上記の3点の応量器は皿のような台にのっていますが、それは左記の写真の一番上の一番小さい皿を大きな鉢の下に置き台として使います、収納の時はコンパクトになります、大きな鉢はお釈迦様の頂骨とされ直接置いていけないし、直接口をつけてもいけないので匙で粥を食べます

応量器と一緒に使われる布一式
刷、匙、箸入れ、布巾、ひざ掛け、風呂敷
生涯使う器であります、やはり5年10年と使いますと経年変化もあり、また頭鉢には熱い粥を入れるために変色も起きてきます、台に使う皿は割れやすいです、いつの日か修理が必要のこともあります、使い手と漆器屋は一生のお付き合いをさせて頂くことになります、何年後に修理が来ても修復が大丈夫な下地と塗りをしております、漆器は最初は高いと思われますが、後々のことを考えますと結局長く使えるだけ割安だったと思われることが多いと思います





料理の器 応量器
修行僧が使われる応量器は黒のみです、永平寺でも朱塗りの応量器は皿の台が最初から頭鉢に付いた形で仏壇に飾る為の器のようです、収納して小さくまとめる必要がない為に台が最初から付けた形を使うそうです。来客用に朱の器で精進料理が永平寺でも出されていますが、その器は応量器ではありません、違う形の器です
しかし家庭で使ったり、料理店で使う分には自由です、

木合というのは木のくり貫きではなくて、木粉と樹脂の混合素材を型に入れて形つくる素材です、ですから木製とは低価格で作ることができます、その素地に漆塗りをしております。一般的なきれいな黒と朱漆塗りです。
もちろん私独特の塗りで塗る事も可能なわけで作りました、素材は木合ですが、木製と同じような塗りで仕上げて
おります

海外仕様 応量器
日本国内と気候が異なり乾燥している国も多く、木製品だとヒビ割れが起こりやすい地域があります
下記に提案している応量器は素材が木粉と樹脂を混合して形作っているので割れにくく丈夫です、

下地から上塗りまで漆で塗っております。ハケメのある艶消しの黒仕上げで、キズに強い塗りです、古代根来は歴史を感じさせる朱(洗朱漆)で塗りあがった後に少々研ぎだして根来の雰囲気を出しております、研ぎ出し後は拭き漆仕上げしており、キズにも強い仕上げとなっております


木合 時代黒 応量器

木合 古代根来 応量器
応量器の事で最近知った事

私は応量器とは禅宗の僧の方の器と理解していました、しかし今年2月に曹洞宗本部の指導者の方に聞きましたら、お釈迦様の時代から応量器を使われていたとのこと、ビックリでした。その当時、金属で作りなさいという話だったそうです、それは壊れないからで、作る職人も少なかったし、作ってもらうこと自体が申し訳ないという考えだったので、一生涯使えるものとして金属をだったらしいです、それが中国に渡ってから、木と漆があり、金属より軽いという利点もあり、漆塗りの応量器になったのではないかとの話でした。
当然 道元禅師様も中国で使っていた応量器と同じものを日本に戻られてから寺で使用したでしょうし、京都から越前の永平寺に移られても、同じ応量器を使われたと思われます。
道元様はすべての行動を文書で残されており、その通り、永平寺では行われています、
特に典座教訓と言って料理と食べ方の教科書を書かれているのですが、無駄のない、最高にエコ的な生活規範だと思います、すでに750年以上前に、現在あちこちで言われているエコの考え方は確率しているのです
自分が住み食事して、寝る場所は最小のスペースの畳1畳、座って半畳しか使いません、これ以上のエコ的な空間使用はありません
朝起きたらタライに一杯の水で歯も磨き、顔も洗います、水道の出しっぱなしはありません
食事をする時、食べ物を口と同じ高さに持って行き、祈りの言葉を言ってのちに食します、
現在の食事は器を下に置いたり、下の方に飯椀など持ち、上から箸で取るという形でしょうが、教えは自分の命を支えて下さる食べ物は口の位置と同じ高さに持ち上げ食べるべきだとのことです
学校教育に取り入れるといいことが沢山あります
まだまだ私も勉強中です、色々わかったら又アップします

長女 みゆきが応量器の形が好きだというので使ってみたらいいと渡しました。しばらくして家庭料理を盛った画像を送ってくれたのでアップしました。
お惣菜を買ってきて盛り付けしたのかと聞いたら、自分で作ったとのことです

かつおたたき丼
ふろふき大根
サラダ
オクラの和え物
豆の煮物

 

 

 

下記の膳、その他沢山新しい商品を作っている最中です、順次アップしてゆきます。