新作について

(木と漆の融合)

 最近、私は木という素材と漆という素材を見つめています。
そして、その木に漆が吸い込んで行く瞬間が大好きであり、興味深く、いい感じだなぁと思っています。
木は木目も色々であり、部分により硬さもバラバラであります、よって漆の吸い込み方がまだらになるのです、
柔らかい部分はよく吸い込み濃い色になります。硬い部分は薄い色になります。
漆を厚めに塗るとより一層、まだらになります。そのまだらがいいのです。自然そのものと思うのです。
 ところが百貨店などの一般漆器売り場ではクレームの対象となります、なぜなら5客セットにしようとすると色が揃わないというのです。
この皿は濃すぎる、この皿は色が薄い、まだらになっているから塗り方がヘタなんだろう。
 ですから私がこれからドンドン作るであろう自然的な漆器は一般漆器売り場での販売はむづかしいと思っています。
私のホームページのでの販売またはギャラリーなどでの作品展での直販を中心にしようと考えています。
(もちろん、私のこだわり作品の世界のことであり、工房としては色々な漆器を色々な売場で販売しています)

 この自然的な漆器は日本産の漆を使っています。価格はすごく高いのですが、臭いがたまらなく好きなのです。仕事をしていて気持ちがいいのです。
作り手が気持ちよく仕事できる、それは気持ちのいい作品が出来る、気持ちのいい作品を使うお客様も気持ちよくなる……という考えです。
 そして、今、日本産の漆掻きさん(漆を漆の木から採る人)は岩手県の二戸に集中しておられますが、20人未満しかおられません
、ところがその人たちが採る漆が売れなくて困っています。
このまま行くと、こんないい漆を採る職人さんもいなくなる可能性があります。
私が使う量はしれていますが、もし私がこれから作る日本産漆仕上げの作品がドンドン売れるとするなら、
漆の使用量も増え、当工房の日本産漆の購入量も増えることになりますので、いい方向になると思っており、新作づくりに燃えています。




今回の木地は薄手でシンプルなストレート的な形です。
私もその時々により、厚手の木地が中心の時もあり、荒々しいカットが大好きな時もあり、色々です。
 今作っているのは、この形であって、ズーッとこのタイプでいくか、また違うタイプになるか私自身もわかりません、
ただその時その時に創りたいものを作っているという感じです。
自分が好きなように思うように作るのが楽しいんです。
自分がノッて作るのが一番と思っています

山岸厚夫