浜美枝さんとの出会い
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もう10年以上前の話になります。
浜美枝さんが福井県の小浜市に別荘を作られました、その縁で福井県と
テレビ局が福井県内を紹介する番組を作り、毎月取材され放送されていました。
2年間ほどされたと思いますが、その最後の取材が鯖江市でした。
鯖江市内の保育園で古くからある地元の寿しを作り、子供達と食べるような
企画だったと思います、そこで地元の漆器も紹介したいので、
鯖江市役所から
私に漆の器を貸して欲しいと電話がありました。
「どなたが使われるのですか?」と聞いたところ
「浜美枝さんです」
私は器好きの方だなと思い、2尺の大皿と中皿、小皿の3種類貸し出ししました。
土曜日だったと思います、次の日曜日も私は仕事をしていました。
午後電話があり、浜美枝さんとテレビ局の方々が今、漆器会館にいて、山岸さんの
工房に行きたいとのこと、いいですか?
私は丁度いたので、どうぞ来て下さいといい、30分後に来られました。
私の工房の前は駐車場がないので、離れたところに皆さん車を止めて歩いて来られました。
道路で浜美枝さんと顔を合わせたとき
「やっぱり、想像した通りの作家さんだ、」と言われました。
私は工房の二階を案内しました。
すると浜さんは急に怒った声で下に下りて、テレビ局の方々に話しされたのです。
「なんで、こんないい工房を最初に紹介しなかったの、私はこのような工房で対談するのが
好きなのよ、地元のテレビ局が知らないなんてどうかしてる、沢山一度に二階は上がれないから
5人ずつ順番に上がって見せてもらいなさい!」
それから順番に上がって見られました。
浜美枝さんは小声で私の作品数点を指差して、名刺を下さり、
「ここに送って下さい、後ほど振込みます」
と言われ、後日お送りしました。
二階では丸テーブルをはさみ、私との話になりました。すると
「二人の対談をテレビにとりなさい」
と言われカメラが回りました。
次の週の番組の中で私との対談の様子が1〜2分流れました。